特約について
権利関係 2011年8月27日
(3)特約について
「特約」とは、文字通り、特別な契約とか特別な約束と考えてもらえれば、いいです。
たとえば、売買契約は、申込みの意思表示と承諾の意思表示の合致さえあれば成立しますが、
実際には、いつ土地を引き渡すのか、いつ代金を支払うのか、支払いはローンが可能なのか、
ローンの審査が通らない場合どうするのかなど、さまざまな約束がなされます。これが、特約です。
では、特約の効力はどうなるのでしょうか。
この点、民法では「特約は、原則として有効」と考えればいいです。
たとえ、特約の内容が、民法の規定と異なっていても、当事者が納得して決めているのだから、特約が優先します。
このような規定のことを「任意規定」といいます。
民法の規定は、当事者の意思を尊重するため、大部分が任意規定です。
これに対して、特約に優先する効力を持つ規定(=当事者の意思にかかわらず適用される規定)のことを「強行規定」といいます。
たとえば、絶対的に悪いこと(「公序良俗違反」といいます。)を内容とする特約は認めるわけにはいかないので、無効となります。
また、民法の制度の根幹にかかわる規定も、当事者の勝手な都合で変えるわけにもいかないので、これに反する特約は無効になります。
民法では、絶対数は少ないが、これには重要な規定が多いのです。
なお、借地借家法は、借主の保護のため、原則として借主に不利な特約は無効となります。
この点 民法の原則が修正されているので注意しましょう。