条文・判例について
権利関係 2011年8月27日
(4)条文について
「条文」とは、いうまでもなく、法律でかかれているそれぞれの規定のことです。
法律の勉強は、全てここから始まります。
民法での条文は、世の中の人が快適に暮らせるように、争いごと(トラブル)が起こったときに備えて作られた「ルール」といってよいでしょう。
あらかじめ起こりうるトラブルを想定し、それを解決するために定められています。
しかし、世の中の具体的なトラブルは、起こった事情がそれぞれ異なる為、実際には千差万別です。
したがって 条文がある程度、抽象的、一般的な書き方になるのはやむをえない。また、言葉の意味を曖昧でない厳密なものにするため、
普段聞きなれない専門用語も用いざるを得ないのです。
というこは、まず専門用語で書かれた抽象的・一般的な規定を自分なりに「理解」し、「記憶」しなければなりません。
理解と記憶はもちろん重要ですが、具体的なあてはめの練習もそれ以上に重要です。
なお、民法の条文の数は1000条を超える膨大なものだが、宅建試験で出題さりる規定は、ある程度決まっているので、重要なものに絞って
メリハリづけした学習をしていけばよい。全ての条件を読み、記憶する必要は全くありません。
5)判例について
「判例」とは、裁判所(とりわけ最高裁判所)が具体的な事件(トラブル)を解決するために出した判決や決定などのことを言います。
条文は、あらかじめ起こりうるトラブルを想定して規定されているが、全てのトラブルをくまなく予想するのは無理でしょう。
また、時代の流れにより、作った当事には予想もしなかった事態が起こることもあります。
そのため、条文ではカバーしきれないことがどうしても起こってしまいます。
逆に、条文がいくつあっても、どれを適用したらよいか迷うこともあります。
また、いくら厳密な専門用語を使っても、言葉である以上、何通りかの解釈ができてしまうこともあります。
そこで、これらの条文の穴を埋めたり、適用条文を決めたり、解釈を統一する役目を果たしているのが「判例」です。
近時の宅建試験でも、判例の知識や事例が出題されることが多くなってきました。
やはり、民法を学ぶ上で、重要な判例を勉強するのは大切なことといえます。