不動産マメ知識

復代理とは

権利関係 2011年9月16日

6.復代理
(1)復代理とは
 代理人が自己の権限内の行為を行わせるか、さらに代理人を選任した
場合、選任された代理人を複代理人といいます。
 複代理人は、代理人が選任した代理人であるが、あくまで「本人の代理人」
である。したがって、複代理人がした行為の効果は直接本人に帰属します(107条)。

(2)複代理人の権限(107条2項)
 複代理人の代理権は、代理人の代理権に基づくものであり、複代理人の代理権
の範囲は、代理人の代理権の範囲を超えることはできません。したがって、代理人
の代理権が消滅すれば、原則として複代理権は消滅する。
 また、複代理人は、本人に対して代理人と同一の権利義務を有します。この結果
、本人は複代理人を監督することができるし、一方複代理人も本人に対して建て替え
費用の請求や代理人と契約した報酬の請求をすることができます。

(3)複任権
 どういう場合に復代理人を選任できるか、また複代理人の行為によって本人に
損害を与えた場合、代理人はどこまで責任を負うかという問題です。

【任意代理】
複任権の存否:原則複任できないが、例外として複任できる場合があります。
ア、本人の承諾があるとき
イ、やむを得ない事由があるとき
複代理人の行為に対する代理人の責任:
原則複代理人の選任・監督上の過失につき責任を負うが、例外として本人の指名
により選任したときは、そのものが不適任・不誠実なことを知ってながら本人への
通知・解任を怠った場合のみ責任を負います。
【法定代理】
複任権の存否:いつでも複任できます。
複代理人の行為に対する代理人の責任:
原則全責任を負いますが、例外としてやむ負えない事由により選任した時は、選任
・監督上の過失責任のみを負います。