不動産マメ知識

代理行為の要件について

権利関係 2011年9月13日

4、代理行為の要件
(1)顕名(100条)

ア、顕名主義
 代理人が本人のための代理行為を行う場合には、相手方に対して、本人の
ために行うこと(A代理人Bという表示)を示さなければなりません。

イ、顕名を欠いた場合
原則:代理人自身のために意志表示したものとみなされます。なぜなら顕名が
行われないと、相手方は代理人自身が契約当事者だと思ってしまうからです。
例外:相手方が代理人であることを知っていた場合(悪意)や、不注意で知ら
なかった場合(有過失)は、代理の原則通り、本人に契約の効果が帰属します。
相手方を保護する必要がないからです。

(2)代理行為の瑕疵の問題(101条)
 たとえば、代理人が詐欺にあった場合、誰が取り消すことができるのか、と
いう問題です。
原則:詐欺・脅迫にあったかどうか、善意か悪意か、有過失か無過失かなどに
ついては代理人を基準に判断し、その効果は本人に帰属する。したがって、代
理人が詐欺にあった場合、取り消し権も契約から生じる効果の1種なので本人に
帰属し、本人が取り消すこともできます。
例外:本人の指図によって特定の契約が行われた場合、本人は自ら知っていた
事情または知ることができた事情については、代理人の善意や無過失を主張する
ことができません。
 たとえば、売買の目的物に瑕疵があることを代理人は知らなかったが本人は
知っていた場合は、本人は瑕疵担保責任を追及できません。